今回、企業の方が新しい従業員の方の採用を考えていて、内容は週6日、1日7時間。給料は1時間あたり900円ということで採用したいということにあたってどういう問題があるかということの質問がありました。
企業が労働者の方と結ぶ契約は労働契約と言われます。
労働契約については労働基準法や労働契約法といった法律があるわけですけれども、まず一番大事なのは労働契約をするときには労働条件、要するに使用者の方は従業員な方をどういう条件で雇われるのか、従業員の立場からは、どういう条件で雇われるのかということをきちんと合意をするということが法律上求められてきます。
ではそこで労働条件の合意について、一番大事なのはどの場所でどういうふうな給料の額で働くのか、そういったことがメインとしてあって、細かいところは法律でもあるのですが、今回のご相談の内容について言えば、1日7時間、週6日、900円という労働内容になるわけです。
週何日働かせるかについては、法定休日では、労働基準法では、使用者は毎週少なくとも1回の休日、または、4週間を通じて4日の休日を与えなければならないわけですが、ご相談の内容は1週間42時間働かせることになりますから、これは労働基準法上の40時間という規制に引っかかります。
そうするとこれは割増賃金の支払い対象になってきますから、労働条件を定めるときにいわゆる基本給の部分と、割増賃金の部分とを区分して定めることがまず必要になります。
次に40時間以上働かせる場合には36協定といって、事業場の労動者代表との間で週40時間以上働かせるということについての協定を結んでおくことも使用者としては必要になってきます。
さらに今回900円ということですけれども、私が働いている神奈川では最低賃金が900円を超えていますから、時間給が最低賃金に反してもいけません。
そういったことがないように賃金の額を定める必要があります。
こういったことを見過ごして、今回で言うと週6日、1日7時間、900円と定めたままで働かせていた場合には、後になって労働者の方から「この契約は最低賃金に反しているのではないか」あるいは「未払い残業代があるのではないか」ということで場合によってはそういう請求を受けることがあります。
こういった請求を受けた場合には、企業としては支払いの負担が出てきてしまうことがありますので、予期せぬ負担ということになりかねませんし、労使関係の悪化にもなりかねませんので、そういうことがないように労働契約について定めるときにそのあたりの内容をきちんと専門家に確認をして結んでいただくということが必要になります。
では今日のご相談内容については以上です。ありがとうございました。